- もっとお金があれば…
- もっと良い暮らしができれば…
——そう考えたことはありませんか?
現代社会では、常に「もっと良いものを求める」ことが当たり前になっています。その欲望には終わりがなく、いくら手に入れても満足することはありません。
そんな中で大切になるのが、「足るを知る」という考え方です。
今あるものに目を向け、満足することで心の余裕を持つ生き方のこと。
しかし、「足るを知る」というと、「努力をやめること」や「成長を放棄すること」と誤解されがちです。実際には、「無駄な欲を手放しながら、自分の軸で歩むこと」を意味します。
この記事では、「足るを知る」の本当の意味や、実践するための具体的な方法を紹介します。
- 「足るを知る」とは何か
- 「足るを知る」生き方とは何か
- 自分にとっての「足るを知る」の考え方
- 「足るを知る」を実践する5つの方法
- 成長するための「足るを知る」ポイント
物質的な豊かさだけにとらわれず、心から満たされる生き方について、一緒に考えていきましょう!

mayu:minimalist
横浜のワンルームでひとり暮らしをしながら、シンプルライフを実践中。
モノや情報に振り回されないシンプルな生活を目指し、日々の気づきや工夫をで発信しています。
元・モノに埋もれていた人間です。
「足るを知る」とは
「足るを知る」とは、今あるものに満足し、それを大切にする生き方を指します。
人はつい「もっと良いもの」「もっと成功したい」と求めてしまいますが、その欲望には終わりがありません。どれだけ手に入れても、新たな欲望が生まれ、満たされることはないのです。
「足るを知る」という考え方を持つことで、目の前の幸せに気づき、心に余裕を持つことができます。
「足るを知る」は老子の言葉が由来
「足るを知る」という言葉は、中国の哲学者・老子の思想に由来します。
老子の言葉に「知足者富(足るを知る者は富む)」という表現があり、これは「満足することを知る人こそ、本当の意味で豊かである」という意味を持ちます。
つまり、外的な豊かさではなく、心の在り方こそが幸福の鍵であるという考え方です。
外的な豊かさではなく、心の在り方こそが幸福の鍵であるという考え方
この思想は、仏教や禅の教えにも取り入れられ、日本の文化にも深く根付いています。
茶道や禅の世界では、華美なものを求めず、今あるものの美しさを感じ取ることが大切にされてきました。
「足るを知る」という考えは、何も古い時代のものではなく、現代の私たちにとっても、よりよく生きるための重要な指針となります。
現代における「足るを知る」の意味
現代社会では、経済成長やテクノロジーの進化により、物質的な豊かさは増しています。
その一方で、「もっと欲しい」「もっと成功しなければならない」というプレッシャーが強まり、多くの人が「足りない」と感じながら生きているはず。
特にSNSが普及したことで、他人の成功や華やかな生活が可視化され、「自分はまだまだ足りない」と思いやすい環境ができあがっていますよね。
本当に幸せになるためには、必要以上に何かを求めるのではなく、「今あるものに目を向ける」ことが大切。
「足るを知る」とは、成長を諦めることではなく、自分にとって何が本当に価値のあるものかを見極め、無駄な欲を手放すことなのです。
その結果、他人と比べることなく、自分のペースで穏やかに生きることができるのです。
「足るを知る」と「現状維持」の違い
「足るを知る」と聞くと、「今のままで満足するなら成長が止まるのでは?」と感じるかもしれません。でも、「足るを知る」は単なる現状維持とは異なります。
| 言葉 | 意味 |
|---|---|
| 足るを知る | 今あるものに感謝しながらも、自分が本当に望む成長を大切にすること |
| 現状維持 | 現状に甘んじて何も変えようとしないこと |
現状維持とは、現状に甘んじて何も変えようとしないことを指します。いっぽう、「足るを知る」は、今あるものに感謝しながらも、自分が本当に望む成長を大切にするという考え方です。
たとえば、仕事でより高い地位を目指すことは、成長のひとつですが、その理由が「他人より上に立ちたい」からなのか、「自分の能力を発揮したい」からなのかで、大きく意味が変わります。
後者であれば、「足るを知る」ことと矛盾しません。
今に満足しながらも、自分のペースで努力を続けることは、「足るを知る」生き方のひとつなのです。
「足るを知る」と「分をわきまえる」の違い
「分をわきまえる」という言葉も、「足るを知る」と似た意味で使われることがあります。しかし、この二つには微妙な違いがあります。
| 言葉 | 意味 | インサイト |
|---|---|---|
| 分をわきまえる | 自分の立場や能力を理解し、それに応じた行動を取ること | 制限を意識する |
| 足るを知る | 外的な制限によるものではなく「今の状況の中で満足を見つける」ことに重点を置く | 内面の豊かさに目を向ける |
「分をわきまえる」とは、自分の立場や能力を理解し、それに応じた行動を取ることを意味します。
たとえば、「自分にはこの仕事は向いていないから挑戦しない」と考えるのは、「分をわきまえる」行動ですが、「足るを知る」こととは異なります。
「足るを知る」は、外的な制限によるものではなく、「今の状況の中で満足を見つける」ことに重点を置いています。つまり、「分をわきまえる」が制限を意識するのに対し、「足るを知る」は自分の内側にある豊かさに目を向ける考え方です。
足るを知ることで、「もっと欲しい」という無限の欲望から解放され、精神的な余裕が生まれます。そして、その余裕があるからこそ、本当に自分がやりたいことに集中し、結果として成長にもつながっていくのです。
自分にとっての「足るを知るとは何か」を考えてみよう
「足るを知る」生き方を実践するためには、まず自分自身にとっての「足る」とは何かを明確にすることが大切です。
どんなに「足るを知る」ことが大事だと言われても、漠然としたままでは実践につなげにくいからです。ここでは、「足るを知る」ために考えたい3つのポイントについて紹介します。
- 自分が持っているものに目を向けているか
- 欲しいものが手に入った後に何を求めるか
- 「これがあれば幸せ」という条件が増え続けていないか
自分が持っているものに目を向けているか
まずは、「自分が持っているもの」に目を向けてみましょう。
といっても…普段の生活の中で、「自分は何をすでに持っているのか」を意識することはあまり多くないですよね。
意識を向けてみると、自分が持っているものは想像以上に多いことに気づくはずです。
たとえば…
- 健康な体
- 信頼できる友人や家族
- 日々の生活を支えてくれる仕事や住まい など…
どんな小さなものでも、すでに持っているものの価値を見直してみます。(もちろん、上記以外でもOK)
そうすることで、「今のままでも十分に幸せだ」と感じることができます。
これは、決して「現状で満足しなさい(あきらめろ)」という話ではありません。すでに持っているものの価値に気づくことで、不要な不満や焦りを減らし、本当に大切なものに集中できるようになるのです。
欲しいものが手に入った後に何を求めるか
ずっとほしかったものが手に入ったあと、次に何が欲しいと思いましたか?
新しいものを手に入れたとき、一時的には満足感を得られます。でも、多くの場合、その満足は長くは続かず、また別の何かを求めたくなるものです。
たとえば、「このブランドのバッグを買えば満足する」と思っていたのに、手に入れた瞬間に「次はもっと高価なものが欲しい」と感じた経験がある人も多いかもしれません。
欲望には終わりがなく、次から次へと新しいものを求め続けてしまうことがあります。
「足るを知る」ためには、自分が何かを手に入れたとき、「この先、また新しいものを求めるのではないか?」と問いかけることが重要です。
そのうえで、「本当に自分にとって必要なものなのか?」を冷静に考える習慣を持つことで、必要以上の欲望に振り回されることなく、心の安定を保つことができるはずです。
「これがあれば幸せ」という条件が増え続けていないか
「これさえあれば幸せになれる」と思うものが、時間が経つにつれて増えていくことはないでしょうか?
たとえば、「収入が〇〇万円になれば幸せ」と思っていたのに、いざ達成すると「やっぱり〇〇万円は必要」と思い直す。「家を買えば満足する」と思っていたのに、住んでみると「もっと広い家が欲しい」と感じる。
これは、私も本当に悩んでいます。(現在進行中)
このように、幸せの条件を増やし続けると、いつまでも満足することができません。常に「もっと良いもの」を求めてしまい、結果的に不安や焦りを抱えることになるのです。
「足るを知る」ためには、「今の自分がすでに持っているもので、どれだけ幸せを感じられるか」を考えることが大切です。
「これがないと幸せになれない」と思っているものが、本当に必要なものなのか、一度立ち止まって考えてみましょう。そのうえで、今の自分が持っているものの価値に気づくことができれば、無理に何かを追い求める必要がなくなり、心の余裕が生まれるはずです。
私もまだまだ訓練中の身ですが…
「心の余裕」については、「心の余裕を持ちたい人がやってはいけない4つのこと」でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。


「足るを知る」を実践する5つの方法
「足るを知る」という考え方は、単なる哲学的な概念ではありません。日常生活の中で意識することで、より穏やかで満ち足りた生き方につながります。
ここでは、「足るを知る」を実践するための具体的な方法を紹介します。
- 「感謝」の習慣を持つ
- モノを減らして本当に必要なモノを知る
- お金やモノでなく経験や人との繋がりを大切にする
- 「もっと欲しい」と思ったときに立ち止まる
- 「○○が無ければ幸せになれない」という思い込みを手放す
「感謝」の習慣を持つ
「足るを知る」を実践するうえで最も基本となるのが、感謝の習慣を持つことです。
普段の生活の中で、どれだけのことに感謝できているかを振り返ると、私たちはすでに多くのものを持っていることに気づくはずです。
でも、日々の忙しさの中で、そのありがたさを意識する機会は少なくなりがちに。
感謝の習慣を身につける方法のひとつとして、毎日「今日よかったこと」を振り返る時間を作るのがおすすめです。
たとえば、「今日も健康に過ごせた」「美味しいご飯を食べられた」「友人と楽しく話せた」など、どんなに小さなことでも構いません。
意識的に感謝の気持ちを持つことで、今あるものの価値に気づき、「もっと何かが欲しい」という気持ちを落ち着かせることができます。
モノを減らして本当に必要なモノを知る
「足るを知る」を実践したいなら、物理的にモノを減らしてみることをおすすめします。「足るを知る」ためには、まず「自分にとって本当に必要なもの」が何なのかを理解することが重要なためです。
現代は情報やモノがあふれ、つい「これがあればもっと便利になる」「これを持っていると安心できる」と考えてしまいがちです。しかし、その結果として、不必要なモノに囲まれてしまうこともありますよね。
私もそうでした。
一度、自分が持っているモノを見直し、「なくても困らないもの」を整理してみると、本当に必要なものが何かが見えてきます。
不要なモノを手放すことで、余計な執着がなくなり、「今あるもので十分だ」と思えるようになります。また、モノが減ると管理の手間も減り、心に余裕が生まれるというメリットもあります。
モノを減らす方法について、詳しくは「物を減らすコツ」で解説していますので、参考にしてみてください。


お金やモノでなく経験や人との繋がりを大切にする
お金やモノではなく、経験や人との繋がりに目を向けて、大切にすることもおすすめです。
物質的な豊かさは一時的な満足感を与えてくれますが、長期的な幸福感にはつながりにくいことが多いためです。でも、経験や人とのつながりは、モノとは違った形で心を豊かにしてくれます。たとえば…
- 旅行や趣味の時間
- 家族や友人との会話
- 学びの機会 など…
形に残らないものは、長く心に残るものです。
また、人とのつながりを大切にすることで、自己承認欲求が満たされ、「もっと成功しなければ」「もっとお金を稼がなければ」といったプレッシャーから解放されることもあります。
(あまり好きでない人との関係なら、逆にプレッシャーが出ることもあるかもですので、注意が必要ですが…)
「足るを知る」ためには、物質的な豊かさだけに価値を置かず、自分が本当に心から楽しめる経験や大切にしたい人間関係に意識を向けることが大切です。
「もっと欲しい」と思ったときに立ち止まる
何かを「もっと欲しい」と思ったとき、それが本当に自分に必要なものなのか、一度立ち止まって考える習慣を持つことが大切です。
欲望には終わりがなく、ひとつ叶うとまた次の欲望が生まれてしまうため、際限なく「もっと良いもの」を追い求めることになりがちです。
たとえば、新しいスマートフォンが欲しくなったとき、「今のスマートフォンで何か不便なことがあるのか?」と自問してみる。
仕事で「もっと評価されたい」と思ったとき、「今の状況では何が不足しているのか?」を冷静に考える。
些細なことかもしれませんが、こうやってひとつひとつに目を向けると、本当に自分が求めているものが何なのかが見えてくることもあるはずです。
物欲を抑える方法については、「物欲を抑える10のコツ」でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。


「○○が無ければ幸せになれない」という思い込みを手放す
「○○が無ければ幸せになれない」と思う気持ちは、多くの人が持っているものです。たとえば…
- もっと収入が増えなければ…
- 理想のパートナーがいなければ…
- マイホームを持たなければ…
- 痩せなければ…
といった考え方。
これ、ほとんどが思い込みです。
こうした思い込みを持っていると、「今のままでは足りない」と感じてしまい、いつまでも満足することができません。本当にそうなのかを冷静に考えてみることが大切です。
たとえば、「収入が増えたら本当に幸せになれるのか?」と自問したときに、実は「今の収入でも十分に暮らせている」と気づくこともあるでしょう。
また、「理想のパートナーがいなければ幸せになれない」という考えも、実際には「ひとりの時間を楽しむこともできる」と思えるかもしれません。
このように、「○○がなければ幸せになれない」という思い込みを手放すことで、今あるものに満足できるようになり、不必要な焦りや不安が減っていきます。
「足るを知る」=「努力しなくていい」ではない
「足るを知る」という言葉を、「すでに満たされているのだから努力しなくてもいい」「今のままで十分だから何もしなくていい」と解釈する人もいるかもしれません。
でも、「足るを知る」は決して怠惰を肯定するものではありません。むしろ、余計な欲望や焦りを手放すことで、本当に自分が大切にしたいことに集中できる考え方です。
たとえば仕事において、「どうせ評価されないんだから現状に満足して手を抜いていい」ということではありません。それは単なる怠惰です。
「知足」の目指すところは、評価されるかされないかは関係なく、自分のやるべき仕事を自分のやり方でまっとうする、ということ。
「足るを知る」ことは、満足することと同時に、自分の成長を自分自身で楽しむことでもあります。
怠惰に流されるのではなく、心に余裕を持ちながら、自分にとって価値のあることに取り組むことこそが、真の「足るを知る」生き方なのです。
まとめ
「足るを知る」とは、今あるものに感謝し、満足することで、無駄な欲望や比較から解放される考え方です。
しかし、それは「現状に甘んじること」や「成長を諦めること」ではなく、心の余裕を持ちながら、自分の軸で生きるための大切な姿勢でもあります。
「足るを知る」という視点を持つことで、日々の生活が少しずつ変わっていきます。まずは、小さなことから実践してみることで、心の満足感がどのように変化するかを感じてみてください。










